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創作日本料理“もも瀬”のブログです。
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向板が馴れた頃、カウンター天麩羅を、勉強することを許されました。

私の持ち場は、8席のお客様が相手です。

それは、もう緊張、緊張の連続、お客様との会話が出来ずに、ただ、返事を返すのがやっとでした。

お客様が、料理の事や天麩羅の事を聞いてくるのですが、料理に携わってまだ二年ぐらい、何もわからず、恥ばかりかいていました。


それから、まずは天麩羅の事をもう勉強することに、しました。

天麩羅の奥義と言う本を何回もよみ、歴史、油の種類と乾性度、卵と水、小麦粉 の特性、関東と関西の天麩羅の違い、お客様と話しを少し出来るようになり、少し自信が出て来た頃
お客様との会話の勉強に、松竹座や、吉本新喜劇を見に行きお笑いの会話の間を学びなさいと教えられました。



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料理は場に、降りて二年ぐらい過ぎた頃だったか、いよいよ魚の下処理の始まりです。

ウロコ取りや内臓の水洗い、向板になっても初めは、そこまで、三枚に下ろしたりの仕事は、まだまだ先の仕事です。

コレぐらいの月日が流れると、材料の名前も覚え、献立も読めるようになり、一人で下準備は全てこなせるようになり、市場に行っても、顔を覚えてもらい、ドンドン仕事を覚えて、1日に覚えるどんなにあるのや、と思っていました。

今、思い返すと、すごく楽しんだ時だったかな?

日々の仕事に、追われて料理が好きになるまでは、ずーっと先ですね。

やっと、この頃から修業本番ですね。





料理長に、市場に連れて行って下さい。とお願いすると、快く受け入れていただきました。

朝、6時に、お店に来るようにと、云われて、6時に行くと、もう姿がなく、そのまま市場に、急いで到着、挨拶しても、無視仕入れての品物だけが、店員さんから手渡されて、市場の中をずーっと無視されたまま仕入れてが終わり、一言店に帰りなさい。と言われて、遅刻した訳でもないのにと思いつつ店に帰り、仕事にかかりました。

料理長から、「ちょっとおいで」とお声がかかりました。

料理長の「ちょっとおいで」は、何時もお叱りを受ける言葉です。

市場デビューの心構えの甘さをさとされました。


市場に、連れて行って下さいと、頼んでおきながら、朝が遅過ぎると、市場デビューは、もっと、夜も眠れないぐらいワクワクして、朝をむかえて、店の前に立っていると思って、私も少し早く降りて来たが、あなたは、いなかったので、一足先に出掛けたの事、あなたのデビューの意気込みのなさに、がっかりしましたと言われて、ガーンとなり、次の日からは、30分前から店の前で、待機です。

当時に、木津市場と黒門市場二つを見て、帰るのが常でした。


魚、珍味、野菜、果物、全ての目ききがこの時に身に付ける事ができました。





修業一年ぐらいで、初めて包丁を使う事を許されました。

薄刃包丁だけでしたが、うれしくて、うれしくてワクワクしたのを覚えています。

初めは、お惣菜の野菜切りだったかな?
料理長がキャベツを仕入れてくれて、キャベツはよく刻みました。

キャベツの一年間の味の移り変わりをついでに、勉強させてもらいました。

後、天麩羅の材料の切り出し、蓮根の厚さ具合が、難しかったなぁ。


包丁を使わせて、もらった時、料理人の始まりを感じました。

若旦那が、大根を桂むきして、打つケンは、とてつもなく、美しくピカピカに光っていました。


私の理想のケンです。

今も、当時の若旦那のケンを思い出して、ケンを打っていますが、超えたかな?




大阪のお店は、カウンター天麩羅が中心で、修業3ヶ月ぐらいで、カウンターで、お客様の接待をさせてもらいました。

しかし、私は三重の田舎者で、お客様との会話は全く出来ず、「いらっしゃい」すら、長く言えなかったのを覚えています。

いらっしゃいが言えない自分が、このあと大丈夫かなと思っていたものです。


中居さん達に、いらっしゃいませの言うタイミングを合図してもらったりして、何とか、言えるようなるのに、随分日にちがかかったと記憶しています。



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プロフィール
HN:
もも瀬
性別:
男性
職業:
調理師
自己紹介:
日本料理の道を志し、30年が過ぎました。
ここでは私が日本料理を感じ学んだ想いを表したいと思います。
お問い合わせ
住所:三重県四日市市鵜の森1丁目2-15メゾンヴァンベール(近鉄四日市西口徒歩5分)
TEL:0593-57-3116
営業時間:11:00~14:00(ランチのみ)
17:00~22:00(21:45オーダーストップ)
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